こんにちは、セロトニン活性療法の滝本です。本日は「五月病シリーズ」の第2回として、起立性調節障害や適応障害に対する実践的な対応法についてお話しします。

五月病とは?

まず、「五月病」とは何かを簡単におさらいしましょう。五月病は、新年度の始まりに緊張や新しい環境への適応が求められる4月を乗り越えた後に、5月に入ってから現れる心身の不調を指します。症状としては、やる気が出ない、体がだるい、眠れないなどが挙げられますが、実はこれは正式な病名ではなく、主に自律神経の乱れからくる症状が五月病と呼ばれています。

起立性調節障害と適応障害の関連性

五月病に関連してよく見られるのが、起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation, OD)や適応障害(Adjustment Disorder)です。これらの症状は、特に10代や20代の若者に多く見られ、学校や職場に行きたくない、朝起きられないといった問題を引き起こします。

起立性調節障害は、自律神経が正常に働かないことで血圧調整がうまくいかず、立ち上がった時にめまいや失神を起こす状態です。一方、適応障害は、新しい環境やストレスフルな状況に適応できず、不安や抑うつが引き起こされる状態を指します。

これらの症状は、表面的には異なるように見えますが、共通する根本的な原因は「自律神経の乱れ」です。特に、セロトニン不足が自律神経のバランスを崩し、ストレス耐性が低下することが大きな要因となります。

若年層への対応法

10代の学生たちは、学校に行けなくなるという問題でクリニックに訪れることが多いです。このような場合、私の基本的なアプローチは「無理に学校へ行かせない」ということです。特に小学生や中学生の場合は、義務教育の範囲内であれば、学校に行かなくても卒業することができます。大切なのは、勉強は学校だけでなく、家庭でも可能であるということを親に理解してもらうことです。

親へのアドバイス

親御さんが最も気になるのは、子供が学校に行かないことで将来的にどうなるかという点でしょう。しかし、これは親自身の問題であり、子供の問題ではありません。親として心配になるのは当然ですが、その心配が過度になると、子供に余計なストレスを与えるだけです。

私が親御さんに最初に伝えることは「無理に学校へ行かせないでください」ということです。親御さんには、子供が自分のペースで立ち直るまで見守ることが重要だとお伝えしています。これは簡単なことではありませんが、親が安心して見守ることで、子供も安心して自分のペースで回復していくことができます。

高校生と大学生への対応

高校生や大学生になると、単位の問題もあり、学校に行かないという選択肢は少し複雑になります。しかし、基本的なスタンスは同じです。行きたくない時は無理に行かせないこと、ただし、単位を落とさないように最小限の出席を確保するためのサポートを行うことが重要です。

この時期の若者は、エネルギーに溢れており、ある日突然、症状が改善することもあります。子供たちは、大人よりも回復が早く、柔軟な対応が可能です。そのため、親としては焦らず、長い目で見守ることが大切です。

社会人への対応

一方、社会人になると、学校とは異なり、仕事を休むことで直接的な経済的影響が出るため、対応はさらに難しくなります。20代や30代の若い社会人で、五月病や適応障害が現れる場合、早期に適切な対応を取ることが重要です。

社会人の場合も、根本的な原因は自律神経の乱れであり、特にセロトニン不足が大きな要因となります。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、ストレス耐性を高める役割がありますが、これが不足すると、ストレスに対処できなくなり、適応障害や五月病の症状が悪化することがあります。

自律神経を整えるためのセルフケア

自律神経のバランスを整えるためには、日常生活でのセルフケアが非常に重要です。特に、以下のような習慣を取り入れることで、セロトニンの分泌を促進し、自律神経の乱れを改善することができます。

  1. 規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に寝起きし、一定の生活リズムを保つことが重要です。特に、朝の光を浴びることで、セロトニンの分泌が促進されます。
  2. 適度な運動: 散歩やジョギングなどの軽い運動を日常的に行うことで、セロトニンの分泌が増加します。
  3. バランスの取れた食事: 栄養バランスの良い食事を摂ることで、体全体の健康が保たれ、セロトニンの生成も促進されます。特に、トリプトファンを多く含む食品(バナナ、ナッツ、魚など)を意識的に摂取することが効果的です。
  4. リラクゼーション: ストレスを軽減するために、リラクゼーションや瞑想、深呼吸などを取り入れると良いでしょう。これにより、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整います。

まとめ

五月病や起立性調節障害、適応障害は、すべて自律神経の乱れに起因する症状です。これらの症状に対しては、無理をせず、根本的な原因であるセロトニンの不足を改善することが最も効果的です。また、親や周囲のサポートも重要であり、焦らず見守ることが大切です。

もし、ご自身やご家族がこれらの症状に悩んでいる場合は、ぜひ専門家に相談し、適切な対応を取りましょう。また、セルフケアを取り入れることで、自律神経のバランスを整え、心身の健康を保つことができます。

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この記事が、皆さんの健康管理に役立つことを願っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。